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(立ち耳を垂れ耳に矯正する方法)


断耳の手当ては4段階に分けられます。
この段階でBタイプ イヤーヘルパーを使用できます
この段階でCタイプ イヤーヘルパーを使用できます
  ●垂れ耳を立ち耳に矯正する方法
  ドーベルマンと断耳は切っても切り離せないものです。初期のドーベルマンの写 真を見ると断耳とは言える様なものでなく、耳の根元からたたき切った様なものでした。このドーベルマンの耳も世界中のドーベルマンが断耳をしているかと言えば、そうではなく英国やその連邦諸国(カナダを除く)アフリカ、アメリカの一部の州では断耳は許していますが、断耳は法律によって禁じられています。 しかし皆さんはドーベルマンと言えば、あの精悍なピーンと耳の立った素晴らしい顔を想像なさるでしょう。
  ドーベルマンを成犬でゆずり受けた人達の中には最初から立っていた為に断耳をした事を知らない人が多い様です。
  しかしあの耳も人工的に立たしたもので、シェパードや秋田犬の様な立耳犬種と違ってほっておいて立つものではありません。初心者の方はドーベルマンの耳は獣医さんが切って立たしてくれるものと思っている方が少くありません。これは大変な間違いです。ドーベルマンの耳はダックスフンドの耳の様に薄くて大きく垂れた耳です。その垂れた耳を立ち易い様に獣医さんが余分な部分を切り取り、傷口を治してくれるに過ぎません。仔犬の耳を立たすのは飼主、あなたの仕事です。立ちにくいと途中で止めてしまっては一生立たないでしょう。その為にこれから述べる色々な方法で耳が立ち易い様に助けてやります。立ちにくい耳を苦労してやっと立たした時の喜びは、また格別 のものです。それではどうすれば耳が立つかを書いてみましょう。
  よく「この耳は何時頃立ちますか?」と言う質問を受けます。この質問に「2ヶ月〜1年半位 あなたが努力すればもっと早く立つかも知れません」と答えます。事実断耳をしてバンソーコーを貼り2週間位 で傷口が治ってバンソーコーをとると、もうすでに立っている犬が居ります。この反対に何ヶ月も努力しても立たない犬もいます。この耳の立ちの良し悪しは両親からの遺伝が関係します。母犬がどうしても上手く立たない場合、その仔犬等の何%かは非常に苦労する事実が多々あり、仔犬を求める時に注意する必要があります。耳の付根の高い犬低い犬も遺伝が関係します。今では少くなりましたが、15年位 前に来日したドイツジーガーの直仔等は耳付の低い犬が多く内に折れて困りました。この耳は付根が低く同じ長さに切っても耳が短く見えました。ドーベルマンの断耳はどこの獣医さんでも同じかと言うと断耳の得意な先生、そうでない先生(1年に4〜5頭しか切らない先生)と非常な断耳技術の差があります。一番良い獣医さんの見つけ方は、よく朝の公園で会うボクサー、グレートデン、ドーベルマン等を見てあなたが美しい耳だと思う犬の飼主に聞く事です。仔犬をブリーダーから直接求められた場合、ブリーダーに聞くのも良いでしょう。犬仲間は親切にアドバイスをしてくれるものです。
 しかしそのアドバイスも1つの参考だけであり、あなたの犬はその人の犬とは全然違うかも知れない事を覚えておいて下さい。先に書きました様にその犬が2週間で立った耳であれば「耳を立たすのは簡単ですよ」と教えてくれるだろうし、苦労した人からは「耳を立たすのがこんな苦労するとは知らなかった」とおどかされるかも知れません。耳立ての断耳から最終行程までをご説明いたしましょう。

1.断耳
断耳の場合、耳の長さですが耳の根元を折って耳の先が目の所まであると犬が大きくなって立つと適当な長さになります。傷口をこまかく縫う獣医さんと根元だけしっかり縫った後は2・3ケ所だけ傷口が開くのを防ぐ為に縫う獣医さんが居りますが、どちらが良いとは言えません。
2.抜糸
抜糸は断耳手術後5日〜8日位で糸を抜きます。抜糸をしなくても自然にとれる場合がありますが、もし糸が傷口内で固まってしまうとそこから折れる原因になります。この段階でBタイプ イヤーヘルパーをご使用頂けます。右図の〔Bタイプ イヤーヘルパーの取り付け方〕をご参照下さい。

 
●Bタイプ イヤーヘルパーの取り付け方
まずはじめに耳の中をアルコールで消毒し、次に除光液またはベンジンで皮膚表面 の脂肪分を取り除きます。
イヤーヘルパーを図の様に切って下さい。
剥離紙を剥がしAの部分は折返し斜線の部分はクサビ型になる様切り捨てます。
イヤーヘルパーにも除光液またはベンジンでぬ らして下さい。数分の後クサビ型の部分を耳の穴に入れはりつけます。
余った所は裏側に折曲げはりつけますが斜線の部分は断耳面 にそって切り捨てます。
最後に耳根部を医療用布テープで巻いて下さい。その際、血管を圧迫しないよう、しめつけすぎにご注意下さい。
※シェパードやコーギーなどの片耳折れの矯正にも、この方法でご利用頂けます。

3.傷口を完全に治す
断耳後一番大事な手当ては傷口を完全に治す事です。「殺菌・外傷治療剤イソジン液」等を使い、1日数回塗ります。断耳後同じ年令の仔犬と一緒に遊ばしたり母犬と一緒にするとなめて傷口がはれます。また温度の高い6・7・8月頃の断耳は特に化膿しやすく耳が縮んでしまいます。(この場合、傷口が完全に治った後、毎日しわをのばす様にマッサージすると縮んだ耳が元通 りにのびます) 傷口は1週間目位から治り始めます。傷口のカサブタはイソジンやオキシドール等でふやかし、消毒されたガーゼかティッシュペーパーでとってやって下さい。カサブタをとると少し血が出る場合もありますが、心配はいりません。毎日薬をつけて化膿を防ぐと日に日に傷口が小さくなります。

4.耳を保定する
傷口が完全に治ると今度は最終仕上げ、耳を立たす番です。右図の〔Cタイプ イヤーヘルパーの取り付け方〕をご参照下さい。
※医療用布テープを巻く時は、耳の血管を圧迫する可能性がありますので、強くしめつけすぎないよう充分ご注意下さい。


 
●Cタイプ イヤーヘルパーの取り付け方
耳の中を脱脂綿できれいに拭きます。耳 の中が不潔ですと小さな傷も化膿します。
耳を立たすのに耳の中に芯を入れます。芯は発泡プラスティックの棒を使います。
②の棒を耳の穴に入れ、 適当な長さに切ります。
②の棒が耳に触れる部分に、医療用布テー プを巻きます。皮膚との癒着を防ぐ為です。
次にこの棒を耳の中へ押しいれ根元を 医療用布テープで巻きます。
今度は出来るだけ耳の先を引張り上げて 耳の上部を医療用布テープで巻きます。
反対側の耳も同じ様にすると図の様に なります。
左の耳と右の耳の根元を出来るだけ近づ ける様に医療用布テープで巻きます。
この様にして1週間ごと全部はずして3日間様子を見て再びセットして下さい。たとえ片耳だけが立っても止めずに両耳が完全に立つまで続けて下さい。もし耳の中がじゅくじゅくする様でしたら耳の中が乾いてから、また同じ様にして下さい。

ご使用後はワンちゃんやお子様の目の届かない所に保管して下さい。
誤って食べてしまうと、体に悪影響を及ぼす可能性があります。
ワンちゃんが違和感を感じ自分ではずしてしまう事もありますので注意して下さい。
粘着力の強いテープを使用していますので、テープをはずす際、毛が抜けたり、かぶれたりする可能性があります。
医療用テープを扱う時は、血管を圧迫しないように充分注意して下さい。壊疽(えそ)を引き起こす可能性があります。

 
―イヤーヘルパーを取りはずした後―
粘着のりや、そのベタ付が残りますが、しばらくたつと自然にき れいになります。(できれば何もせず、そのままにされる事をお すすめします。) どうしても気になる場合、ベンジン等を使用して下さい。その後 消毒用アルコールできれいにふき取って下さい。ただし皮膚が あれる可能性があります。
この商品は耳の立つくせがつくようサポートするためもので、お使い頂いてもご期待通 りにならない場合もあります。予めご了解の上でご使用下さい。

※このイヤーヘルパーは、当社、会長のドーベルマン飼育歴40年の経験を生かして開発された商品です。